桜餅
在宅勤務になってから、ランニングすることが日課だ。
日中に公園でランニングしようとすると、人が多いので、
基本的には早朝か、夜のタイミングで仕事の前後にしている。
この時期、ランニングコースの公園を走りかかるたびにいつも思うことがある。
公園の桜は、満開のピークが過ぎ、どれも葉桜になっている。
葉桜の下の地面には、桜の花びらが一面に落ちており、
芝生の緑と混ざり合っていて、とてもきれいなのだ。
桜の木以外にも、つつじがところどころ咲いており、
華やかさで溢れていた。
ランニング中は、毎回ついつい見とれてしまっていた。
何より、毎回思うことがある。
それは、葉桜が桜餅のように見えて仕方がないということだ。
毎回、あの葉桜を見ると、桜餅を食べたいという欲が掻き立てられる。
口が桜餅の口になるのだ。
そこから、さらに毎回思うことがある。
けれども、私はあんこが苦手なのだ。
あの口にごわごわと残る甘さが苦手なのである。
口が桜餅の口になってしまっているのに、苦手なのである。
この矛盾は何なのだろうか。全くもってわからない。
食べてみたら、おいしく思えるのだろうか。
ああ、とても悩ましい。